【イントネーション考察】疑問文の強め方


ひさびさの投稿です。

 

最近、ブログを読んでいただいている方から、「英語の発音を向上させるにはどうしたらいいのか」と相談をいただくようになりました。twitterでも英語朗読や英語教育に対する考えを好き勝手につぶやくようになったからでしょうか。いろいろな方とコミュニケーションをしている過程で、自分の考えも少しずつまとまってきているような気もします。

 

英語を話したり朗読したりする際に私がとても大事だと思っているものに、リズムやイントネーションがあります。英語を教えてきて、また自分自身で朗読の研究をしてきて、個々の単語の発音よりもリズムやイントネーションをうまく使うことで表現の幅を広げることができるのだということが経験的にわかってきました。

 

発音記号で示される子音や母音(分節音と呼ばれます)とは異なり、リズムはポーズ・強弱・テンポなどを、イントネーションは声の音程の上げ下げのことを指し、あわせてプロソディなどと呼ばれることがあります。このうちのイントネーションは若干複雑なのですが、ひとつの文をいろいろな意味合いをつけて表現できます。

 

学生時代に東後勝明先生の授業で英語のイントネーションを学んだ際に使った教科書(『イギリス英語のイントネーション』J. D. O’Connor & G. F. Arnold著,片山他訳)を本棚から掘り出してみると、当時使っていたハンドアウトが出てきました。

 

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上の本も大変いい本なのですが、下のハンドアウトには英語を話したり朗読したりする際に大切な基本的な発音の法則が簡潔にまとめられていました。東後先生がご自身の著書の『英会話の音法50』から法則の部分だけをコピーして持ってきたものだと思い出し、すこし眺めてみました。

 

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これだけで何を言っているかわかる方はすごいと思います(多分あまりいないのでは)。試しにtwitterに音声を投稿してみたのですが、リンク先の音声にアクセスしづらかったせいか、あまり反応がありませんでした。なので、今回のブログの記事にしてみることにしました。次の例文で考えてみましょう。

 

How many times do I have to tell you the same thing?

何度同じことを言わせれば気がすむんだ。

 

上に書いてあるように、5W1Hのような疑問詞を使った疑問文は通常最後は声を落として読むと、中学校などでは教わるのですが、それだけでは細かいニュアンスまで表現できません。

 

①まずは、普通に言ってみます。

 

②次に、上に書いてあるように、「最後の強勢のある語」つまり、thingまでを下から徐々にあげるように言ってみます。

 

③さらに、「最後の強勢のある語」であるthingの前に登場する、ひとつひとつの強勢のある語をしゃくりあげるように言ってみます。

 

 

そもそもこの例文自体が「抗議」を表すような意味なので、違いが分かりづらいかもしれませんが、抗議の調子は①<②<③と下の音声にいくほど強くなり、話者がイライラしていることがわかります。ひとつひとつの音節の音程を図示すると以下のように違いがわかります(手書きですみません!)。

 

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①は表記とは異なる若干ブレのある読み方をしてしまいましたが、そこは大きな問題ではないので、お許しください。

 

大学の課程の「英語音声学」の授業では、イントネーションまで丁寧に教えてくれるところはあまり多くないような印象を持っています。音声学というと発音記号しかやらないイメージがあるかと思いますが、こうした研究分野も存在します。今回お示ししたのは、イギリスのロンドン学派と呼ばれる音声学者たちがまとめた研究の一部です。いざ学んでみると非常にわかりやすく、口語英語の表現の幅が大きく広がります。アメリカ英語や他の方言の発音にも応用できるものがほとんどなので、「イギリス英語はちょっと…」という人でも、得るものは多いと思います。

 

ちなみに、『英会話の音法50』は絶版ですが、中古で買うことはできるみたいですね。私が持っているのはこんな表紙のものです。こういうことが書かれている本は最近はあまり見かけません。

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最後に、今の①〜③のイントネーションを使ったダイアログを作ってみましたので、お聞きください。

 

A: What’s your name?(①)

B: I’m sorry?

A: I said, ‘What is your name?’(②)

B: uhm… Excuse me?

A: I said, ‘What is your bloody name??’(③)

 

常に辛抱強くありたいものです。現実ではキレないようにしましょう。

 

では〜 (^^)

 


takeondo
About takeondo 46 Articles
都内の私立学校に勤務する英語教師(英語科教諭)。学生時代に英語音声に魅了され、英語教師の道へ。とりわけ関心があるのは、英語のプロソディ(超分節音的側面)とよばれるリズム、イントネーションなど。英語朗読、英語落語にも興味があります。 Certificate of Proficiency in the Phonetics of English 2nd Class 趣味:囲碁(四段)、ランニング(ハーフ1時間30分/フル3時間40分)

2 Comments on 【イントネーション考察】疑問文の強め方

  1. Thank you for your detailed and clear explanation of one form of English expression. For some reason I could not hear the recording. I’m sure it would’ve made it easier for me to understand.

    • Mr Okito Toyoda

      Thank you very very much for writing your comment!! I just learned about you from someone we commonly know(Aoyani-san). It is such an honor to talk to you.

      I’m not sure what is causing you that problem, but please try accessing the page on some different browser if you can. I hope it’ll work all right.

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